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『読書のちから』 若松英輔

2年前にオンラインの出版社イベントに参加したことがある。その時に購入した書籍である。著者は批評家であり、随筆家の若松英輔氏。

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「深く「読む」ためには深く「書く」必要がある。「読む」を鍛錬するのは「書く」で、「書く」を鍛えるのは「読む」なのである。「読む」と「書く」を有機的につなぐことができれば言葉の経験はまったく変わる。それを実現する、もっとも簡単な行為は、心動かされた文章を書き写すことなのである。本に線を引くだけでなく、その一節をノートなどに書き写す。じつに素朴な行為だが手応えは驚くほど確かだ。「十読は一写に如かず」ということわざもある。」

読むことと書くことを有機的に結びつけることができれば言葉の経験はがらりと変わる。言語体験はインプットとアウトプットがかけ合わさって深まっていくものだと再確認した。言うは易しだが、「書く」のはなかなか難しい。そこで目から鱗だったのは、書き写すという行為が読むことと書くことの橋渡しをしてくれるという点である。これならば誰でも簡単に始められる。若松氏のこの一節に出会って、文章を書き写すという行為をしてみた。キーボードで文字を打つ時とは違う感覚がある。何だか心地よく、その言葉との関係が縮まった感じがする。


昔の作家は名文家と呼ばれる作家の文章を書き写すことで、その作家の文章術を学んだという。森鴎外の文章を見本にしてひたすら書き写した、という話をよく聞く。そうすることによって自然に読むことと書くこととを有機的に結びつけていたのだろう。感銘を受けた文章を書き写すという素朴な行為が静かな満足感を与えてくれる。


「良書とは、どこかに存在するものではなく、本とその人の良き出会いが成就したとき生まれるものなのだろう。良書はときに、人生の一冊と呼ぶべきものにすらなる。ただ、このことを実現するには、複数の出来事が織りなすように起こらねばならない。良書誕生の条件があるのである。 一つ目は、その人のなかで出会うための準備ができていること。 二つ目は、その本が読む者の変化に耐えうること。 三つ目は、出会うべき時に出会っていること。 四つ目は、再読する必要を感じること、すなわち、読み終わらない本であること。」

一冊の本との出会いによって人生が変わることがある。今まで出会った何冊かの本を思い出した。この4つの条件と照らし合わせる。確かにその通りだと納得する。


本との出会いは人との出会いに似ている。時が経つにつれて関係性も、意味合いも変わる。最近色々と心沈むことが多かったが、この本の静かで柔らかな言葉に力をもらった。

 
“The Power of Reading” by Eisuke Wakamatsu

The author says there are 4 conditions that make books “good” books. 1. When you encounter that book, you are ready for it. 2. The book has a potential to be changed according to the reader. 3. You come across that book when you are meant to do so. 4. You feel like you need to reread that book, that is, it is the book that doesn’t finish. While reading these 4 requirements, I thought of some books that changed my life.


The author also emphasizes the importance of writing as well as reading. They are the one and the other side of the coin. Only when reading and writing are organically intertwined, does a whole new experience of language appear. The author advises one very simple method to do so, which is copying what you found impressive or intriguing. Just write them down in your notebook, and it will have a significant influence on you. According to this advice, I’ve scribbled down some sentences or phrases which moved and inspired me. Such a straightforward act did indeed bring about something new and fresh in me.

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