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オーウェルにとっての傑作 解題


But get hold of Tropic of Cancer, get hold of Black Spring and read especially the first hundred pages. They give you an idea of what can still be done, even at this late date, with English prose.

(Inside the Whale,1940)


『北回帰線』や『黒い春』を手にとって、最初の100ページを読んでみてもらいたい。そうすれば英語という言語が誕生して随分経った今ですら、英語の散文でまだどんなことが成し遂げられるかがわかるであろう。




最初の100ページを読んで見たら、自分達の国語でまだこんなこともできるんだ、ということがわかるだろう、というのは最大の賛辞であろう。偉大な作家達が過去にすでに傑作を残しているのに、今更現代の作家が何を書けるのかという議論ももちろんある。ただ、それを見事なまでに打ち砕く、オーウェルのヘンリー・ミラーに対する激賞である。この『北回帰線』という作品はミラーの自伝的な小説であり、処女作である。1930年代のパリが舞台で、異邦人(アメリカ人)の視点で小説は進んでいく。ヘンリー・ミラーなので、性的な表現も多分に含まれている(それ故アメリカでは当初発禁本扱いになった)。フィッツジェラルド、ヘミングウェイ、ピカソが20年代のパリに惹きつけられたように、ミラーもその磁力に吸い付けられた。彼もガートルード・スタインが名付けた「Génération Perdue」(失われた世代)の一人であったのだろう。


このオーウェルの文章を読んで、もちろん『北回帰線』を購入した。ただ、難解で、途中で挫折してしまった。。この機会にもう一度挑戦しようと思う。



次回は引き続き『北回帰線』を形容するオーウェルの素晴らしい一文を紹介します!



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