Ikuya TakahashiJun 173 min『エクソフォニー』多和田葉子新天地ベルリンで読むのにこれほど適した本はないだろう。母語の外に出るとはどういうことか、外国語で文章を書くというはどういうことか、アイデンティティの核心にある言語とは何なのか、色々と考えさせられた。 「わたしはA語でもB語でも書く作家になりたいのではなく、むしろA語とB語の...
Ikuya TakahashiApr 5, 20213 min“The Emissary” by Yoko Tawada 『献灯使』多和田葉子 多和田葉子は稀有な作家である。早稲田大学でロシア文学を専攻後、1982年から在独。ドイツ語でも小説を書き、言葉を越境するエクソフォニー作家の代名詞的存在だ。後天的に身に付けた言語で小説を書く超人技もさることながら、言語の可能性に関しても大...